協同医書出版社 リハビリテーションの多彩な展開と可能性を探る カート確認
注文ヘルプ 特定商取引に関する表示項目 プライバシーポリシー 取扱書店一覧
HOME 新刊情報 書籍一覧 注文方法 会社案内 お問い合わせ
HOME > 書籍詳細
書籍詳細


目次を見る
パンフレットを見る
精神医療は誰のため?
ユーザーと精神科医との「対話」
〈精神医療ユーザー〉NPO法人全国精神障害者ネットワーク協議会  
(ストロベリーママ・徳山大英・藤田幸廣・山梨宗治)
〈精神科医〉伊藤哲寛・上田啓司・野中 猛,〈座長〉八尋光秀  
ISBN 978-4-7639-6024-5
A5判 200頁 2015年8月20日発行
定価 2,700円(税込)
カートに入れる
精神医療は誰のために,何のためにあるのか.原点を共に考える試み.

精神医療に対する認識は,ユーザーと精神科医との間で当然違います.ですが,よりよい精神医療・支援のあり方,望ましいリカバリーの実現という共通の目標はもっています.
本書はそこを足場として,精力的に当事者活動を展開するNPO法人全国精神障害者ネットワーク協議会のメンバーと,長年精神医療に携わってきた医師たちが,弁護士の仲立ちを得て,診断や入院・薬についてなど様々な問題を共に話し合った貴重な記録です.
メンバーが自身の体験とユーザー達への実態調査の結果をもとに率直に切実な疑問を呈すれば,医師たちも時に答えに詰まりながらも誠実に答え,尋ねます.これらの問題を共有している,チーム医療や地域での連携を目指しリカバリーを共に考える専門職,主役であるユーザー,そして一般の人にも,ぜひ読者として参加してほしい一冊です.


◉本の帯より◉
どうしたら精神科医と患者の信頼関係はできるのか? 患者として主治医にしてほしいことは? あたりまえの医療を行おうとする者にとって大変貴重な「患者」さんの声が詰まっている.
プライバシーは侵害されたくない,薬を減らす工夫を一緒に考えてもらいたい,入院したら目安となる期間は伝えてもらいたい,など人としてあたりまえの要望が,如何にないがしろにされているかということにも気づかされる.がん患者としてユーザー体験の真っただ中であった故 野中 猛氏を交えての,貴重なデータと対話の記録である.
── 伊藤順一郎〈精神科医(メンタルヘルス診療所しっぽふぁーれ院長),日本精神障害者リハビリテーション学会学会長〉


◉書評より◉
大丸 幸(九州栄養福祉大学リハビリテーション学部,作業療法士)

ドキドキしながら開いた本書には,3人のユーザーと3人の精神科医との対話が弁護士の司会によって繰り広げられ,精神医療体験者としてのメッセージは作業療法士にとっても聞き逃せない.作業療法が手段として説明されることが多い今日において,「ユーザーが教科書」という原点に立ち戻らせ,次のような「気づき」が次々と迫ってくるのである.
《1:医療従事者との対話によるユーザーのありのままの姿が伝わってくる》
 「妄想があった時のほうが生き甲斐があるんです.妄想がなくなって幻聴がなくなったから自殺する人結構いるんです.」「病院で手首を縫われながら,死ねないなら生きるしかないって思った時に,ああ,自分は病気なんだっていうことを,自分で思ったんです.」「幻聴とつきあっていこう病気とつきあっていこう,医者にも本当のことをしゃべろうと.病気を受容しはじめてから,回復が始まりました.」
《2:自分が価値あるところを探し求める相手は誰?》
 「入院していた病院に自分で死のうとするのを抑えられないって電話したら,もし危険だったら近くの警察に行けばいいって.そう言われたら安心してですね・・入院しました.」「結婚を喜んでくれたり,価値を持たせてくれたのはやっぱり当事者連中でした.」「幻聴とか聞こえてても,主人がいて『今なんか聞こえたんだけど』っていったら『幻聴だよ』『ああ,そう』っていう感じで終わるので安心できるようになった.」
《3:リハビリテーション,地域保健,精神保健は何をするの?》
 「長期入院よりは地域のほうがいいんじゃないかって退院させたら,その明け方に焼身自殺を遂げた.」「診察室では病気,待合室では普通の人で,病院から離れるとお茶の先生なんかやっていて偉いんですよ.これはちょっと違うぞ,と.」
《4:入院するとどうなる?》
 「病院に行ってすべて任せるんじゃなくて自分で対応できるようになることが大切.」「一度目の入院は治療効果が高いんですけど,二度目の方が治療効果が薄らいでいるんです.」「医者ばかりでなくPSWやOTが関わると,生活のことも相談に乗るんだけど.」
《5:「保護者家族」という意識に左右される》
 「家族を,情報をとったり服薬をさせたり,まるで医者の補助のような位置づけをするんです.そうすると家族関係は崩壊する,親子じゃなくなるんです.」「家族は支援の対象であって治療の対象ではない.家族が家族であるために支援する.家族が看護師であったり家族が医者になるような支援ではダメなんです.」
《6:病院・社会復帰施設・患者会のトライアングルが必要》
 「診断は医学的な病名診断,見立ては暮らしのことも人生のことも家族関係も含めて診る.人間としてまず患者に接して,診察して,その人のコアの不安を取り除いて,それから病気の診断に入る.」「福祉と医療が統合されていないのが日本の一つの限界.」
《7:外傷体験の修復は可能か?》
 「過鎮静の嫌な経験は医者には分からない.」「精神科病院スタッフもホスピタリズムに堕っている.」「自分の言いたいことを失っている人へのトレーニングをして欲しい.」
教科書にはない生(なま)の声である本書は,臨床現場の作業療法士も教育の現場の教員や学生も,医療体験者の相互理解の「対話」だからこそ,アクティブラーニングの必読書としてお勧めです.
「作業療法ジャーナル Vol.49 No.12(2015年12月)」より


  このページのトップへ
©Copyright KYODO ISHO SHUPPAN CO., LTD. All Rights Reserved
このホームページに掲載した文章・イラスト・写真の無断転載を禁じます.